3.所得の種類

2017年4月1日 現在

3-1 利子所得

内容および留意点

・友人に対する貸付金の利子は「雑所得」 
・利子所得には控除すべき金額はない

一律分離課税

・所得税15.315%、地方税5%の源泉分離課税 
・源泉の場合、確定申告を要さない

具体例

例 A銀行の定期預金(元本1000万円、利率1%)の利子が100,000円の場合

利子所得     100,000  
源泉税   20,315 (所得税15.315%、住民税5%)
手取額   79,685  

 

3-2 配当所得

内容および留意点

・金銭等の支払いがあると、みなし配当が計算される場合がある 

  1. (非適格)合併
  2. (非適格)分割型分割
  3. 資本の払戻または解散による残余財産の分配
  4. 自己株式の取得(市場からの取得を続く)
  5. その他一定の事由


・相続した株式(非上場)を発行会社に譲渡した場合の特例 
 「みなし配当課税」を行わず譲渡所得課税になる
 (相続税の申告期限から3年以内)

  • 平成27年1月1日以後の相続等により財産を取得したと見なされる個人についでも適用される。
    (相続時精算課税、贈与税納税猶予制度) 

・負債利子の控除 
 配当のもととなる株式等の取得に要した負債の利子は控除できる 
 (確定申告する場合に限られる) 

源泉徴収

      所得税   住民税
未上場株式等の配当等(原則)   20.42% ------
上場株式等の配当等   15.315% 5%

申告不要

・未上場株式等の配当等
 1銘柄の配当が10万円以下(配当計算期間1年の場合 その他の場合は月換算) 
・上場株式等の配当等 (大口株主は除く)

具体例

例 非上場のB1社株式の配当が5,000円の場合

配当所得      5,000  
源泉税 1,021   (所得税20.42%)
手取額 3,979  

例 上場のB2社株式の配当が100,000円の場合

配当所得      100,000  
源泉税 20,315   (所得税15.315%、住民税5%)
手取額 79,685  

3-3 不動産所得

内容および留意点

・借地権設定の対価として支払いを受ける権利金は一般的には不動産所得 
  ※ ただし、その金額が土地の価額の2分の1を超える場合は譲渡所得になる 

・借地権等の更新料は、不動産所得 
・建物を賃貸する場合の権利金等(謝礼金、頭金)は不動産所得

建物貸付が事業として行われているかの判定

・実質基準 社会通念上事業と称するに至る程度の規模か 
・形式基準 次のいづれかに該当する場合、事業規模とされる 
  (1)貸間、アパートについては10室以上 
  (2)独立家屋については5棟以上

権利金等の収入の時期

引渡しを要する場合 引渡しのとき 
引渡しを要しない場合 契約効力発生の時

返還を要しない敷金等の収入の時期

(1)貸付期間にかかわらず返還を要しない場合 貸付時
(2)貸付期間の経過に応じて返還を要しなくなる場合 契約に応じて
(3)貸付期間終了まで返還を要しない金額が確定しない場合 終了時

具体例

例  C氏は12室のアパート賃貸業を営んでいる場合

A.収入金額      2,000 万円     賃貸料
B.必要経費   1,200 万円    
  減価償却費   550 万円    
  借入金利子   350 万円    
  修繕費   100 万円    
  固定資産税   120 万円    
  火災保険料   80 万円    
 C.不動産所得(A-B)    800 万円    

3-4 事業所得

内容および留意点

営業等所得 
 イ.営業所得 小売業、卸売業、製造業、クリーニング業、美容業等 
 ロ.その他の事業所得 税理士、弁護士、医師、脚本家、力士 、農業所得 米、野菜、果樹等の生産

 

具体例

例  D氏はアクセサリーの販売業を営んでいる。 

A.収入金額     20,000 万円       売上高
B.必要経費   18,000 万円    
  売上原価   10,000 万円    
  人件費   5,000 万円    
  家賃   1,000 万円    
  広告宣伝費     1,500 万円    
  その他の経費   500 万円    
C.事業所得(A-B)   2,000 万円    

3-5 給与所得

内容および留意点

・事業専従者控除額は、その事業専従者の給与等となる。 
・2ヶ所以上から支給されている場合は合算する。 
・収入金額が2,000万円以下の一定のサラリーマンは確定申告をしなくてよい。

ストックオプション

役員や使用人に対しその地位や職務に関連してストックオプションが 付与された場合、その行使時に給与所得になる。

給与所得控除

税率一覧表参照

※特定支出の控除の特例 通勤費などの特定支出合計金額が、上記算式の1/2を超える場合には、 その超える金額も控除できる

 

具体例

例   サラリーマンのE氏は年収480万円 
    (給与30万円*12ヶ月、ボーナス夏冬60万円*2回)の場合

A.収入金額      480 万円   給与収入
B.必要経費   150 万円   給与所得控除
C.給与所得(A-B)   330 万円  

*給与所得控除額は、収入金額より計算される。

3-6 退職所得

内容および留意点

・解雇予告手当は退職手当等となる。 
・2ヶ所以上から支給されている場合は合算する。 
  ※ この場合退職所得控除額は合計額から差し引く。  

退職所得控除

20年以下  40万円/年
20年超  70万円/年
※最低 80万円

退職所得金額

一般退職手当 (収入金額ー退職所得控除金額) × 1/2
特定役員退職手当 (収入金額ー退職所得控除金額)
※特定役員とは役員勤続年数が5年以下の人
※一般と特定の両方の退職金がある場合には、一定の計算

具体例

例   サラリーマンのF氏は退職金2,000万円、勤続年数35年;

A.収入金額       2,000 万円   退職収入
B.必要経費   1,850 万円   退職所得控除
X:A-B   150 万円  
C.退職所得(X÷2)   75 万円  

  ※ 退職所得控除額は、勤続年数より計算される。 
     1850 = 40*20+70*15

3-7 山林所得

内容および留意点

・山林をその取得の日以後五年以内に伐採し又は譲渡した場合 山林所得に含まれない。

具体例

例   山林業を営むG氏は植林から伐採まで2,000万円かかった山林を 5,000万円で売却した。

A.収入金額     5,000 万円  
B.必要経費   2,000 万円  
X: 特別控除   50 万円  
C.山林所得(A-B-X)   2,950 万円  
         
所得税の計算        
         
C.山林所得   2,950万  
c1:C*1/5   590万  
t1:c1の税金   75万2千5百   t1=c1*20%-42万7千5百円
T:Cの税金   376万2千5百   T=t1*5

3-8 譲渡所得

内容および留意点

総合課税           長期  
        短期  
分離課税   不動産   長期 ×15.315%(地方税 5%)
        短期 ×30.63%(地方税 9%)
    有価証券     ×15.315%(地方税 5%)

・総合課税分には長期短期合計で50万円の特別控除がある。 
・長期譲渡所得(総合課税)は1/2が総所得金額になる。 
・概算として、取得費を収入金額×5%とすることができる。
・平成21、22年中に取得した土地(所有期間5年超)には、1,000万円の特別控除がある。
・平成21、22年中に土地を先行取得し、その後10年間に他の土地を売却した場合には、
 一定の課税の繰延がある。

 

具体例

例1 譲渡所得(総合課税、短期) 
 H氏は、4年前に500万円で買った骨董品を600万円で売却した。

A.収入金額      600 万円
B.必要経費   500 万円
X:特別控除   50 万円
C.譲渡所得(A-B-X)   50 万円

 

例2 譲渡所得(分離課税、長期) 
 I氏は、30年前に800万円で買った土地を5,000万円で売却した。

   A.収入金額    5,000万  
  B.必要経費   800万  
  C.譲渡所得(A-B)   4,200万  
           
所得税の計算
  C.譲渡所得   4,200万  
  T:Cの税金   643万2千3百  T=C*15.315%

 

例3 譲渡所得(分離課税、非上場株式) 
 J氏は、自分の経営する会社(資本金1,000万円)の全株式を3,000万円で売却した。

   A.収入金額     3,000万  
  B.必要経費   1,000万  
  C.譲渡所得(A-B)   2,000万  
           
所得税の計算
  C.譲渡所得   2,000万  
  T:Cの税金   306万3千  T=C*15.315%

3-9 一時所得

内容および留意点

・生命保険契約の一時金、損害保険契約の満期返戻金 
・法人から贈与された金品 
・懸賞、福引の金品 
・競馬、競輪の払戻金 

・一時所得には50万円の特別控除がある。 
・一時所得は1/2が総所得金額になる。

 

具体例

例  K氏は生命保険の満期返戻金500万円(払込金額400万円)を受取った。

A.収入金額     500 万円
B.必要経費   400 万円
X: 特別控除   50 万円
C.一時所得(A-B-X)   50 万円 

3-10 雑所得

内容および留意点

・公的年金、生命保険契約の年金 
・本業以外の原稿料、講演料 
・友人への貸付金利子 
・還付加算金
・公的年金等の収入金額が400万円以下の一定の年金所得者は確定申告しなくてもよい

公的年金控除

【65歳未満】  
 A:収入金額   控除額  
    1,300,000 以下   最低70万円  
4,100,000 以下   収入金額×25%+ 375,000
7,700,000 以下   収入金額×15%+ 785,000
7,700,000   収入金額× 5%+ 1,555,000
       
【65歳以上】    
 A:収入金額   控除額  
3,300,000 以下   最低120万円  
4,100,000 以下   収入金額×25%+   375,000
7,700,000 以下   収入金額×15%+  785,000
7,700,000   収入金額× 5%+ 1,555,000

具体例

例1  L氏は、雑誌の原稿料で1万円受取った。

 A.収入金額       1 万円
 B.必要経費   0 万円
 C.雑所得(A-B)      1 万円

例2  65才のM氏は、厚生年金を年200万円受取った。

 A.収入金額       200 万円  
 B.必要経費     120 万円   公的年金控除
 C.雑所得(A-B)     80 万円

3-11 間違えやすい所得区分

・取引先への貸付金の利子は事業所得、友人への貸付金利子は雑所得 
・不動産の貸付けは、事業として行っている場合でも、不動産所得 
・パチンコ店の台など少額で使用後に継続的に譲渡されるものは事業所得 
・法人からの贈与は一時所得だが、個人からの贈与は贈与税