1.法人税の計算

2019年10月31日 現在

1-1 法人税の計算

(1)法人税の額

各事業年度の所得に対する法人税の額 = 各事業年度の所得の金額×税率
各事業年度の所得の金額 = その事業年度の益金の額 - その事業年度の損金の額

(2)青色申告法人の欠損金の繰越控除

各事業年度開始の日前10年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額
(繰戻還付の計算の基礎となったもの除く)がある場合には、
その事業年度の所得を限度として、損金の額に算入する。
・資本金1億円以下の普通法人について適用 

(3)青色申告法人の欠損金の繰戻還付

その事業年度において生じた欠損金額がある場合には、前期の法人税額を限度として
法人税の還付を請求することができる。、
・資本金1億円以下の普通法人について、平成21年2月1日以後終了事業年度に生じた欠損金より適用

 

1-2 用語の説明

(1)益金の額

別段の定めがあるものを除き

  • 資産の販売
  • 有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供
  • 無償による資産の譲受け
  • その他の取引で資本等取引以外のものに係る収益の額 

(2)損金の額

別段の定めがあるものを除き

  • 収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
  • 販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で債務の確定しないものを除く。)の額
  • 損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの

(3)資本金等の額

法人が株主等から出資を受けた一定の金額

(4)利益積立金額

法人の所得の金額で留保している一定の金額

(5)資本等取引

法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引並びに法人が行う利益又は剰余金の分配及び残余財産の分配又は引渡し

(6)損金経理

確定した決算において費用又は損失として経理すること

(7)会計と法人税の調整

(1)と(2)は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算される。「別段の定め」で会計との相違点を説明しているのが法人税法である。